債権回収の方法

内容証明郵便による回収

荻野弁護士

債権回収にあたって、最も簡便な方法は、請求書を弁護士名で、しかも内容証明郵便で発送するというものです。

会社名で発送するという方法もありますが、弁護士名で出す場合と比べると、あまり効果的ではないかもしれません。

弁護士名での内容証明郵便は、それを無視して払わなければ、「法的手段(多くの場合は訴訟です)を行使されるのではないか」という現実味を相手方も感じます

また、多くの場合、弁護士から内容証明郵便が来たということで、相手方も法律相談に駆け込むかもしれません。

そのとき、相談に応じた弁護士が、理由のある請求なら払わなければならないという客観的なアドバイスをしてくれる可能性もあるのです。

このように、弁護士名での内容証明郵便は、簡便でありながら効果的であることが多いです。

しかし、債権回収にはそれに適した時期というものもあり、着手が早いに越したことはありません。

まずは、弁護士による法律相談を受けてみることをお勧めいたします。


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相殺による回収

あなたの会社がもっぱら商品を売ってばかりいるのではなく、相手方からも商品を購入している場合、積極的に相殺(そうさい)権を行使するという方法によっても、債権回収を図ることは可能です。

相殺は、相手方が破産あるいは民事再生手続をとった場合でも可能ですので、極めて有効な債権回収手段となります。

この特徴を応用して、相手方に対する与信管理方法として、売掛金の総額に見合った額まで買掛金を積み上げるというものもあります。

相殺権行使の具体的方法等については、文書の記載内容や行使時期等の問題もありますので、弁護士による法律相談を受けてみることをお勧めいたします。


商品引揚による回収

弁護士は会社倒産の場面に何度も遭遇しており、実際に、「なんだ納入した商品を引揚げればいいじゃないか!!すぐに引揚げにいこう。」と納入商品を何の権限なしに引揚げる業者もいます。

しかし、この行為は窃盗罪(刑法第235条)に該当します。

合法的に商品を引揚げる場合、やはりそれ相応の準備が必要となります。

もっとも、相手方が商品引揚げに応じてくれる場合は、売買契約を合意解除する等の方法をとることが可能です。

この場合、相手方をうまく説得することが大切です。

もちろん、そのためのアドバイスも弁護士がいたします。

しかし、説得工作がうまくいかず、相手方が商品引揚げを拒んだ場合は、裁判所の力を借りる必要があります(自力救済の禁止といいます)。

この場合、動産売買の先取特権の行使や、納入商品に対してあらかじめ譲渡担保権を設定しておく等の方法があります。

いずれの方法があなたの会社にとって、費用対効果の観点からしてもふさわしいか、一度弁護士によるアドバイスを受けてみることをお勧めいたします。


債権譲渡による回収

もし、あなたの会社が相手方との力関係で優位に立っている場合、相手方の有する優良顧客に対する売掛金を譲渡担保にとることにより、債権保全を図ることも可能です。

相手方が不払いを起こした場合、当該優良顧客から直接取り立てることも可能となります。

ただしこの方法をとる場合、現在では債権譲渡登記を経る必要がありますので、一度弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。


担保権実行による回収

力のある会社(金融機関が典型的です)はあらかじめ不動産担保を取得したり、取引保証金の差し入れを求めたりします。

場合によっては、納入商品に譲渡担保権を設定するといった方法をとることもできるかもしれません。

とはいえ、通常の取引関係しかない場合は、あらかじめ担保を取得しておくことが難しく、無担保のまま取引を余儀なくされることが大半です。

しかし、何も担保を取得していなくても優先的回収が図れる場合があるのです。

それは、先取特権に基づく差押という方法です。

実現のためのハードルは決して低くはないですが、泣き寝入りを回避するための有効な手段であることは間違いありません。


債権回収の費用はこちらをご覧ください。


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