今回のサマー・クラークで最も面白かったのは、交通事故の起案です。
交通事故というと、これまではある程度類型化して機械的に処理できる分野なのかと思っていましたが、赤本に掲載されている逸失利益などの基準を個別事案に合わせて上下させるのこそが弁護士の腕の見せどころだという話を聞いて、それが誤解であることがわかりました。
むしろ、一応の基準が決まっているからこそ、それを上下させるために弁護士がいるのだと知り、奥が深い分野だなと思いました。
例えば、過失相殺にしても、基本的な過失割合は決まっているとは言え、それを変動させる事情があります。
そのため、そのような事情があったことを、証拠によって立証する必要が生じます。
そういう意味では、交通事故はいかなる事実をいかにして立証するかという法律紛争の基本にかかわる分野でもあると思いました。
このようなことから、交通事故の専門性を高めるというのは、弁護士のスキルとして強みになると思いました。
そういった職人的な弁護士への憧れが強くなりました。
交通事故はロースクールでも扱いますが、授業では倫理面が中心だったので、そういった実務的な話がとても面白かったです。
「法律上どうなるか」を超えて「法律上どうしたいか」という視点から、法律問題を扱うことはこれまであまりなかったので、とてもいい経験ができました。
また、事務所の先生方もとても親しみやすく、丁寧にいろいろと教えてくださったので、非常に勉強になりました。
起案後の講評で私がたくさん質問をぶつけても、嫌な顔ひとつせずに丁寧に解説して下さったので、おかげで交通事故の面白さがよくわかりました。
さらに、福岡のおいしいものをたくさん食べさせていただけたので、福岡の魅力もわかりました。
特に、福岡の魚はとてもよかったです。
私の住む○○とは比較にならないくらい、お刺身がおいしくて衝撃を受けました。
以上のように、今回のサマー・クラークを通して、交通事故の面白さがわかっただけでなく知らない土地の良さを知ることができ、とてもいい経験をすることが出来ました。